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家賃収入の税金計算から確定申告まで丸わかり

2018年12月21日

不動産投資で収入を得ると言っても、家賃収入のすべてがそのまま収入になるわけではなく、所得には、それに応じた税金を納める必要があります。
そこで、不動産投資で得た家賃収入には、どういった税金がどれぐらいかかるのか?といった納税の仕組みや、確定申告までのキャッシュフローについて確認をしていきましょう。

家賃収入にかかる税金はどれぐらい?

家賃収入金額と不動産所得

家賃収入にかかる税金というのは、家賃収入金額そのものに対してかかるというわけではありません。税額は、家賃収入から必要経費を差し引いた、不動産所得を元に計算します。必要経費には、管理費や修繕費用などを含みます。

不動産所得についての所得税率

所得税率は、不動産所得のみで計算することはできません。
不動産所得にかかる所得税率には、給与所得と不動産所得を合算して、そこからさらに各種控除額を差し引いた課税所得額に応じた所得税率が適用されます。

例えば、給与所得600万円、不動産所得150万円、所得控除金額は100万円であれば、給与所得600万円-所得控除金額100万円+不動産所得150万円となり、課税所得金額は650万円です。この場合、適用する所得税率は20%となります。つまり、不動産所得にかかる所得税金額は、不動産所得150万円×所得税率20%=30万円です。

もし不動産所得が200万円であれば、課税所得金額は700万円ですが、この場合は、算定金額の幅で、330万円超~695万円以下の税率20%を695万円までに適用し、残りの5万円部分のみについては695万円超~900万円以下の税率23%を適用します。
つまり、所得税金額は、200万円×所得税率23%=46万円ではなく、195万円×所得税率20%と、5万円×所得税率23%とを合わせた40万1,500円となります。

所得税以外にかかる税金

不動産投資をしている場合は、所得税以外にもさまざまな税金がかかります。
不動産購入時であれば、不動産取得税や登録免許税。不動産を保有している間は、固定資産税や住民税。不動産売却時に利益が発生した際には、譲渡税が必要となります。
節税のためにも、家賃収入から差し引くことの出来る諸経費は、減価償却費といった支出を伴わずに申告ができるものも含めて漏れなく計上することが望ましいでしょう。

家賃収入と消費税

家賃収入は、居住用不動産としてであれば非課税ですが、店舗や貸ビル、オフィス等として利用される非居住用不動産については課税対象となります。ただし、非居住用不動産の貸付でも、居住用と非居住用含めて前々年の家賃収入の合計金額が1000万円以下であれば消費税を納める必要がありません。

賃貸併用住宅で出来る節税

住宅ローン減税は、「自分自身が所有して、なおかつ居住するためのマイホームを取得すること」が適用基準となっているため、第三者に貸し出して家賃収入を得るための不動産投資では利用できません。ですが賃貸併用住宅であれば、自宅部分の面積が50%以上であれば自宅部分に関してのみ住宅ローン減税の適用を受けることが可能です。

家賃収入がある場合の確定申告

不動産所得がある場合は、自分で確定申告をする必要があります。
ここからはその手順について簡単に押えていきましょう。

必要書類を集める

「確定申告書B」と「所得税青色申告決算書(不動産所得用)」を用意します。
作成するためには、勤務先からの源泉徴収票のほか、不動産会社からは、不動産売買契約書、売渡清算書、譲渡対価証明書、家賃送金明細書、賃貸借契約書、ローン会社からは、投資用ローンの明細書、また、管理費や修繕費が分かる通帳や領収書等の書面が必要です。

収支内訳書を作成する

上記の書面類を参考に、確定申告書の第1表、第2表と所得税青色申告決算書(不動産所得用)へ1年間の収入と費用の内訳を記入します。

税務署に提出する

記入した確定申告書類と源泉徴収票の原本を居住地の最寄りの税務署へ期限内に提出します。なお、国税電子申告・納税システムであるe-Taxであれば、自宅でも手続きを行うことができるため、確定申告書の入手や提出のために税務署へ出向く必要がありません。

納税する、または還付金を受けとる

確定申告で算出された税金には、税務署からの納付書の送付はありません。税務署や金融機関にある備え付けの納付書を使って、郵便局や銀行で納税します。「振替納税」の届けをしておけば4月以降に口座から引き落としがされるため、金融機関に出向く必要がありません。
通常、所得税の返還は、およそ1ヶ月~1ヶ月半後で、確定申告時に指定した口座への振り込み、もしくは郵便局で直接受け取りをすることが出来ます。ただし、e-Taxで申告した場合であれば、約3週間後となります。
いつまでも振り込みが無い場合は、税務署へ問い合わせる必要があります。また、書類に不備があった場合は振り込みが遅れることもあります。そういった確定申告の提出期限内での訂正には「訂正申告」、期限を過ぎてからは「修正申告」を行います。

納税をしなかった場合のペナルティ

故意に確定申告をしなかった場合や納付期限を守れなかった場合には、無申告加算税や延滞税といった罰金が発生します。また、修正申告を行ったり、税務署から申告税額の更正を受けると過少申告加算税、さらに隠ぺいなど悪質な行為とみなされてしまった場合には重加算税が課せられてしまうことがあります。こうしたペナルティを受けないためにも、決められた期限内には必ず確定申告を行いましょう。

会社に副業を知られたくない場合は?

勤務先に家賃収入のような副業で収入があることついて知られたくない方は、住民税の納付を自分自身で行うようにすると良いでしょう。これは、確定申告書の第2表にある、住民税の納付方法の「特別徴収」「普通徴収」のところから、普通徴収にチェックを入れるだけで、住民税の支払いを会社ではなく自分自身での納付に切り替えることができます。

まとめ

不動産投資では大きなお金が動きますが、納税の義務を忘れてはいけません。
大切な家賃収入にはどういった税金がかかるのかを予め知っておくことで、納税には慌てずに対応ができます。また、経費を上手に計上したり特例を利用することでより多くの収益を残すことができるでしょう。